バイポーラー（双極性障害）ワークブック（品切れ）（2007）

―気分の変動をコントロールする方法―

以前は躁うつ病と呼ばれていたバイポーラーディスオーダー（双極性障害）は、気分がハイになる躁状態と、気分が落ち込んでしまううつ状態を繰り返す障害である。躁状態があまり目立たないこともあるが、気分があがったり、下がったりする「気持ちの揺らぎ」が特徴である。この障害を持つ人たちは、人生の大変な危機にあるといえる。本書は、双極性障害という「病気」への具体的な対処法を示した本格的かつ実践的な治療読本である。この病気に支配されずに、この病気を支配し、気分の変動を抑える方法が、本書に分かりやすく、明快に書かれている。

M.R.バスコ著　野村総一郎監訳　佐藤、荒井訳

定価 3,080 円（本体2,800円 + 税）　A5判　並製　352頁
ISBN978-4-7911-0630-1〔2007〕

バイポーラー（双極性障害）ワークブック 第2版（2016年7月発売）

気分の変動をコントロールする方法

モニカ・ラミレツ・バスコ 著
野村総一郎 訳

本体価格 2,800 円 + 税　A5判　並製　352頁
ISBN978-4-7911-0936-4〔2016〕

第1章　疾患をコントロールする

どのように疾患をコントロールできるのか

なぜ薬だけでは十分でないのか

双極性障害の変動

双極性障害に対する認知行動療法

このワークブックの使用方法

実例：このワークブックは，ほかの双極性障害の人にどのように機能したのか

あなただけでできるだろうか

ステップ1　症状の出現に気づく

第2章　双極性障害の実際

どのようにして双極性障害は診断されるのか

　躁病とはどのようなものか

　大うつ病とはどのようなものか

第3章　自分の経緯を図式化する

ライフチャートの作成

　ライフチャート作成のための準備

　あなた自身のライフチャートの作成法

　ライフチャート全体として何を意味するのか

治療歴

第4章　早期警報システムを発達させる

自分自身を知る

　躁病の症状

　うつ病の症状

　あなたの気分症状

　気分症状ワークシートの活用法

　本当の私とは?

自分の気分をモニターする

　気分グラフ

　症状グラフ

　気分グラフと症状グラフの活用法

ステップ2　予防措置を講じる

第5章　自分自身を強化する

悪化させない方法

　双極性障害の経緯

　悪化させない方法

ポジティブなことを増やす

　人を増やす

　健康的な習慣を加える

　体重のコントロール

　夜の良い睡眠をとる

ネガティブなことを減らす

　ベッドに入ると心配事が次々と心に浮かんでくる

　過剰な刺激

　圧倒される気分

　無気力のサイクル

　変化を求める

第6章　薬物療法の効果を最大限に得る

行動契約を用いて事前に計画を立てる

　パートI：目標

　パートII：障害

　パートIII：計画

本当に薬物療法を中断したいと思ったら， どうしたらいいか

第7章　「否認」の壁の克服

自動思考と行動

適応とは常に進行中の過程

双極性障害の診断が間違っているということはあり得ないのか

　診断上の困難

　診断を受け入れること

気分の揺れは誰にでもあるのか

ステップ3　症状を軽くする

第8章　思考の誤りの認識と把握

思考をコントロールするための3つのCの方法

　誤認

　結論への飛躍

　視野狭窄

　絶対思考

第9章　感情的な思考をコントロールする

思考記録

思考を評価する

自殺念慮

　なぜ希望をもつべきなのか

　警告！

第10章　精神的メルトダウンを反転させる

精神的メルトダウンへの対処

減速する

　リラクゼーション演習

　24時間ルール

集中する

構造化する

　問題解決演習

　決断を下す

　他者からのフィードバックを得る

ステップ4　進行状態を把握する

第11章　改善へ向けた変化

全体像の再検証

　進歩を確認する

　自分の気分をモニターする

　適応と受容

ひとりで行う必要はない

　治療目標の達成を妨げる障害

目標達成に向けた計画作り

【編者紹介】

モニカ・ラミレツ・バスコ
ダラスのテキサス・サウスウェスタン大学医学部の心理学助教授。世界的に著名な認知行動療法の専門家であり、認知療法学会の創設者の1人である。多くの雑誌からの執筆依頼も多く、Today，The Oprah Winfrey Showなどのテレビ番組などにも登場する著名な臨床家でもある。

野村総一郎（のむら そういちろう）
慶應義塾大学医学部卒業，医師資格取得。1997年より防衛医科大学校教授（医学博士）。