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自然流 精神療法のすすめ

精神療法、カウンセリングをめざす人のために

自然流 精神療法のすすめ
「ボーダーライン」の患者さんをどう扱うのか? 患者さんを好きになってしまったら? など、精神療法家であるなら必ずや直面する難問に、著者は真摯かつウィットに富んだ語り口で答える。自らの心の流れに逆らわない「自然流」の精神療法とはどのようなものであるか、日々の実践とスーパービジョンで培われた著者の考えに、精神医療に従事する者であれば、思わず唸らせられる一冊である。
岡野憲一郎著
定価 2,750 円(本体2,500円 + 税) 四六判 並製 300頁
ISBN978-4-7911-0515-1〔2003〕
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Contents
はじめに

第一章 治療開始に際して―どのようなスーパーバイザーを選ぶか?
なぜスーパーバイザーは必要なのか? /よいスーパーバイザーの見分け方―「スーパービジョンなどない。エクストラビジョンがあるのみ」と言える人 /「お説教」型のスーパーバイザーをどう扱うか?

第二章 あなたは精神療法家に向いているのか?
日頃の付き合いだけでは、その人が療法家に不向きかどうかはわからない /臨床を楽しめない人 /性格パターンの問題、たとえば鈍感な人 /精神科医は危ない場合が多い /資格制度は、「向いていない療法家」をスクリーニングできるのだろうか?

第三章 初回面接
初回面接の心構え? /面会の一回一回が、いわば初回面接である /患者さんは二種類に分かれる。継続する患者さんと…… /初回面接で何を扱うのか? /構造設定や治療契約をどうするのか? /最後に―精神医学的な診断をどうするか?

第四章 療法家は自分を表してよいのか?
療法家の隠れ身について考える上での五つの指針 /療法家の自分は、はじめから出てしまっている

第五章 精神療法に技法(テクニック)はあるのか?
私にも腹話術ができるのだろうか? /技能には三種類ある /精神療法が技法であると考えられた歴史 /療法家になるためのトレーニングは効果がないのか? /しかし趨勢は、精神療法のマニュアル化に向かっている /技法はあまり当てにならないが、経験は欠かせないであろう /技法というよりは資質か? /最後に―マニュアルから技法を学ぶのも悪くない

第六章 療法家が「自然に」ふるまうこと
読者の皆さんにはこのテーマがピンと来ないかもしれない /しかし最低限に「自然に」ふるまえない人もまた多い /歴史的に見て、精神療法家はやはり「不自然」だった /療法家も結構どうふるまっていいかわからずに悩んでいる /ある若い女性の療法家の体験 /自然の反応は表層の反応でもある―私の分析家のこと /発想を転換した /最後に―「自然」であることは不可能である。でもそれを求める気持ちも無理のないことである

第七章 精神療法と夫婦の関係とはどこが違うのか?
夫婦は、その関係が壊れないことを最終的な目標としている /精神療法とは、その関係が終わることを最終目標としている /夫婦間で「治療的な率直さ」に優先されるべきものは? /最後に―治療とは非現実的な関係である

第八章 「ボーダーライン」の患者さんをいかに扱うのか? その一  
ボーダーラインを扱えることは療法家としての技量の証か? /ボーダーラインの精神療法における四か条

第九章 「ボーダーライン」の患者さんをいかに扱うのか? その二  
アクティング・アウトや自傷行為を「緊張の解放」の試みと見る /自傷行為と自殺企図とは別々のものである /それでも自傷行為は「危険」である /治療する、というよりは管理(マネージメント)する

第十章 精神療法とロジャース その一
ロジャース派と精神分析との対立 /そもそもロジャースとはどのような人でしょうか? /いわゆる「ロジャースのトリアス」とは? /なぜロジャース理論が精神分析をいらだたせるのか?

第十一章 精神療法とロジャース その二
エンカウンター・グループに対する私の偏見 /私の「食わず嫌い」の理由 /「真の自分」とは何か? /それでもとりあえず「真の自分」を認めたとしたら? /「無条件の肯定的まなざし」が持つ問題 /愛の持つ二つの矛盾する側面―無条件的な側面と条件的な側面 /無条件的な愛は結局アガペー(隣人愛)だろう /療法家も患者さんを心から愛せなくてもよい /「自然流のトリアス」

第十二章 患者さんに腹が立ったらどうするか?
まずは「逆転移」の問題 /療法家は怒りの感情を持ち難くもあり、持ちやすくもある /精神療法家ゆえに体験する「愛他性のしわ寄せ」としての怒り /療法家として当然持つべき怒り―子育ての体験から得た教訓 /結論に代えて―子供に対して怒りを感じない親も、患者さんに対して怒りを感じない療法家も失格だろう /しかし療法家の怒りは厄介な問題を含んでいる

 
第十三章 療法家が患者さんを「好き」になってしまったらどうするのか? その一  
私はこのテーマを扱うのを避けていたのだろうか? /実際の分析の世界では結構起きることである /産婦人科の実習を思い出す /精神療法もどこか共通している /フランス人形のようなKさんのこと /「運命的な恋」など普通はあることではない /それでもこの問題が含むテーマはさらに膨大である

第十四章 療法家が患者さんを「好き」になってしまったらどうするのか? その二  
療法家と患者さんが「合意」していればいいではないか? /米国の心理学会で起きている論争 /患者さんの「自由選択」の問題 /脱線ついでに /療法家と患者さんの恋愛がタブーである理由 /患者さんと療法家の恋愛は不幸に終わる運命にある?

第十五章 患者さんに「クビにされた」らどうするか?
防衛的にならないこと /とりあえず会ってみる /療法家交代が、患者さんの問題を反映する時

第十六章 精神療法は孤独を救うのか?
多くの患者さんは孤独である /しかし孤独を救うのは精神療法の本来の姿か? /孤独な患者さんへの逆転移 /療法家もまた孤独である /恋愛や結婚が解決になるのか? /結局誰といても孤独である /死に行くこと /結局自分で自分を慰めるしかない―「内的対象」の話 /他人といても、その内的対象イメージを保つこと /精神療法にできること―孤独と向き合うことのお手伝い

第十七章 治療の終結について
「自然な終結」というモデル―その不自然さ /精神分析が終結の「自然さ」を重視する理由 /精神分析が「自然な終結」に固執するもうひとつの理由 /治療の終結の「自然死」モデル /終結にも都合やアクシデントがつきものである /終結の「勘当」モデル /実際には精神療法はどのように終わっているのか? /私が適当と考える「終結」のあり方

第十八章 最後に私自身の話―どうして精神療法家になったのか?
はじめに /精神療法とは神聖な営みである /精神療法家は「職業」なのか? /お金を取ることの気恥ずかしさ /私自身が精神療法をこころざす個人的な事情―対人恐怖傾向か? /最後に―精神療法の何が楽しいのか?

付録の章 テロリズムに対して、精神療法家が何を言えるか?
アメリカ人がみな一瞬にしてトラウマを受けた瞬間 /その日のDBTグループで話し合われたこと /反応するのではなく行動せよ(act, but do not react) /報復というメンタリティー /報復を動物生態学的に捉える /心を開くことは、心の天秤にできるだけ多くの「現実」を載せることだ /最も認めがたい「現実」は、敵が同じ人間であること /最後に私の意見―反戦でも好戦でもなく

あとがき
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心理療法・精神療法

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